北尾のサイノカミ

鳥取県西部の道祖神・サイノカミ
米子市淀江町
所長

山の北の尾根にあるというので北尾と言うそうです。

明治10年に上淀と合併して福岡村となりましたが、結局いまも北尾で通っていると淀江町史より。
ここにある依り代を見つけるのは大変でした。
それは何故かというと…

鳥取県米子市淀江町、北尾の阿弥陀堂
2023-12-08
目印

北尾の阿弥陀堂

対象

双体道祖神

参考

塞神考 No.311
淀江みちくさ手帖

依り代について

お堂、向かって左手にあります。

不定形の自然石に円形の彫込み、その中に双体神立像が線刻されています。
向かって左の男神は笏を、右の女神は扇を所持。

彫込み内右端に伏見小路中の文字。

鳥取県西部のサイノカミ、北尾阿弥陀堂の双体道祖神
2023-12-08
鳥取県西部のサイノカミ、北尾阿弥陀堂の双体道祖神
2023-12-08

閑話休題

いやそれでなんで苦戦したかというとですね。

最初参考にした出典には北尾公民館横と書かれていた訳です。
ところが北尾には現在公民館など無く、それらしい建物と言えば農事集会所ぐらいのもの。
付近を歩いておられた方にお聞きしても、やはり集会所の事ではないかとの事でいったん手詰まりに。

その後入手した淀江みちくさ手帖に阿弥陀堂の位置が示されており、ようやくたどり着くことが出来ました。

なにも出典が間違っていたなどと言うつもりはなく、単に移動しただけなのでしょうが…
石造物探しの難しさ、今回はその片鱗を味わったぜ。

荒神について

村東、山の根に荒神が祀られており、13年に一度の昼神楽があるそうです。
今もやっているのかはわかりません。

んで、サイノカミと言えば如何にも荒神と一緒にお祀りされていそうなところそうではなく、古くは公民館(?)、今は村のほぼ中心、阿弥陀堂にある事から、塞の神というよりは妻の神としての性質が強かったんではないかと私などは想像する訳です。

あと年の瀬も押し迫った12月の真夜中に、団子を供えに子供をぞろぞろと引き連れて山の方まで行くのは如何にも大変でしょうしね。

ご来場ありがとうございました。
もしよろしければ…

そのへんの広告をポチッとしていただけたらすごい励みになります!